面接は応募者が奴隷売買のように一方的に値踏みされるプロセスではありません。新卒学生であれ社会人転職であれ、面接はその会社を見定めるという重要な目的があるのを忘れてはなりません。面接のコミュニケーションを通じて、自分と価値観が近いとか、質問や発言が分かりやすい/逆に何か引っかかるといった「雰囲気」を調べられるのは、面接がもっとも適しています。
もちろんわずか1時間にも満たない面接で分かることは限られます。それでも質問や意見交換を通じて、職場の雰囲気は自らが感じ取る必要があります。「職場の雰囲気は良いですか?」と面接で質問する人がいますが、「悪いです」という応えがあるわけがなく、また「ギスギスしてます」「ヌシやお局のような社員がいます」とも言ってくれないでしょう。
先に「生態系」という言葉を使いました。組織は生きています。生態系と同じく、生きている以上日々変わっていくのです。さすがに全く肌に合わない職場では無理かも知れませんが、そこまで絶望的に合わないと感じるものがなければ、あまり雰囲気にこだわっても何も生まれないのではないでしょうか。どうせ管理者が変われば職場の雰囲気は変わります。管理者だったり、自分自身が異動することもあります。
2年先、3年先、5年先がどうなるかは誰にも分かりません。今、フィーリングがバッチリ合う職場だとしても、永遠に絶対的にそのまま続くことはあり得ません。良くも悪くも変化する、それが職場の雰囲気という存在です。
(増沢隆太)
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