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» 2017年09月20日 11時00分 公開

企業経営の柱、財務を読み解く:財務知識だけではない、優秀なCFOの“条件” (2/3)

[鈴木亮平,ITmedia]

財務知識だけではお金を集められない

――資金調達において、CFOに求められるスキルについて教えてください。

photo 下村雄一郎執行役員

下村: 金融機関から借り入れるデットファイナンスの場合、金融機関は事業の成長性よりも、貸したお金が確実に戻ってくるかどうかを最優先に考えています。ですから、「既に顧客はこのくらいいて売り上げもあるので、毎年いくらずつ返済していけますよ」と、いかに「安心」できる堅実な案件であるかを説明していく必要があります。

 逆に、株式を発行して投資家から出資を受けるエクイティファイナンスでは、安心ではなく、リスクがあったとしても大きなリターンを生み出せるかどうかが重要になります。「いま当社に投資すると、〇〇年後にはこのくらいのリターンが得られますよ」といった具合に成長性を示し、今後の可能性を感じてもらわなければいけません。

 このように、資金調達の方法によって求められる説明内容が異なるわけですが、状況によってはデットファイナンス、エクイティファイナンスの両方で資金を調達をしなければならないケースもあります。ですから、CFOにはどちらにでも対応できるスキルが求められます。

 また、抽象的な話にはなりますが、ロジカルに財務計画を説明する能力と同時に、ヒューマンスキル(対人関係能力)も同じくらい重要です。

 金融機関の融資担当者や投資家も人間ですから、財務計画に問題がなくても横柄な態度だったりすると「こいつらは応援したくないな」と思われてしまいます。心証を悪くすれば、通るものも通りにくくなるわけです。

 意外かもしれませんが、特に投資家においては「経営陣がどんな人物か」をよく見ており、実は大きな判断材料にしています。ですから、「この人たちを応援したい、賭けてみよう」と会社の思いに共感してもらえる「情熱」「誠実さ」といった人間的な魅力もCFOには欠かせない能力の1つということになります。

 財務計画だけでは人とお金を動かせないのです。企業(CEO)がCFOを人選するときは、こうした面も考慮すると良いでしょう。

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