ただ、前例がないプロジェクトだけに、どうやって商品づくりを進めるかが悩みの種であった。そのため、商品企画の段階から広報や宣伝にも参画してもらい、最適な形を探ることにした。
注目したのは、いかにんじん味を開発する際、福島市と組んで味づくりなどを進めたこと。成功要因の1つは、地方自治体と組んで進めたことにあったと見たカルビーは、都道府県と組んで開発することを決めた。幸い同社には、かつてJR東日本でエキュートなどのエキナカ事業を手がけ自治体と太いパイプを持つ鎌田由美子上級執行役員がいる。
東日本エリアは鎌田氏のネットワークを使いアプローチし、それ以外のエリアは片っ端から連絡して、担当部門とのコンタクトを試みた。コンタクトが取れたら直接出向き、企画の趣旨を説明した上で協力を打診。広報や宣伝にも協力してもらい、都道府県庁にお願いして回った。
荒木さんは当初、協力してくれる自治体は少ないと思っていたという。しかし、フタを開けてみれば、どこの自治体も「ぜひ」と快諾が得られた。「一緒に商品をつくることで地元が活性化し、商品を通じて地元の魅力を伝えることができる。このことが評価されたのでは」とその理由を分析する。
9月18日から発売になった17道府県の味
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