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» 2018年04月12日 07時30分 公開

世界を読み解くニュース・サロン:あなたの個人情報、Facebookにこれほど吸い上げられている (4/4)

[山田敏弘,ITmedia]
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無料サービスにプライバシーはない

 要するに、私たちはこうした情報が日々吸い上げられていることを頭の片隅に置きながら、便利なサービスを利用するべきだということだ。

 筆者は以前、米国の著名な専門家2人に取材をして意見を聞いたことがある。『超監視社会』の著者で、著名な暗号・セキュリティ研究者であり、現在は米ハーバード大学法科大学院で講師も務めるブルース・シュナイアーは、そもそもIT企業などが個人データを追跡している事実は驚くことではないと述べている。その上で、「個人情報を追跡するのがFacebookやGoogleのような企業のビジネスモデルで、それはずっと変わらない。そうしたユーザーのプライベートなデータを商売に使って稼いでいるのですから」と語っていた。

 また、著名な米サイバーセキュリティ専門家であるジェフリー・カーにも、ネットサービスとプライバシーについて話を聞いたことがある。カーは、「もはやプライバシーというものは存在しないということだ」と述べ、こう付け加えた。「ソーシャルメディアで全てを共有して、自らプライバシーを放棄しているのです」

 Facebookのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)は最近、米NBCテレビのインタビューで、プライバシーが欲しいなら「有料のサービスになるだろう」と語っている。

 そう、この言葉に全てが集約されている。サンドバーグはこのインタビューでも、Facebookがユーザーのプライバシーを利用して商売していることを認めている。完全な「プライバシー」を求めるなら、広告で稼ぐビジネスモデルでは無理で、サービスを有料化するしかない。それが唯一の答えなのかもしれない。

 ただ有料で利用したいと思う人がどれほどいるのか。唯一の解決策に乗り出した時こそ、まさにFacebookの終わりの始まりだと言えるのかもしれない。今回の問題を受けて、Facebookがどのような方針を打ち出すのか注目だ。

photo 個人情報が吸い上げられていることを頭の片隅に置きながら、便利なサービスを利用するべきだ

筆者プロフィール:

山田敏弘

 元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。


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