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インタビュー
» 2018年04月19日 06時30分 公開

13万人に恋人できた:ビッグデータで恋愛成就 「Pairs」躍進のワケ (2/3)

[濱口翔太郎,ITmedia]

「いいね!」数をあえて絞る

 中村氏がPairsの強みとして挙げたのは、ユーザーの質の高さだ。Pairsには短期の遊び相手や援助交際目当てのユーザーはほぼ存在せず、交際・結婚相手探しに真剣な人だけを集客できているという。

photo エウレカの中村裕一取締役

 その要因は、ユーザーがアプローチできる異性の数をあえて絞っているためだ。一部の競合は1日に送信できる「いいね!」の数を原則100件などと多めに設定し、有料プランでは無制限に広げるケースが多いが、Pairsは1カ月当たり原則30件に絞っている。

 「Parisは承認欲求を得るためのサービスではない。ユーザーはマッチングの数を競うことよりも、大切な人に出会うことに重きを置いてほしいと考えた。『いいね!』数をあえて限定することで、手当たり次第に相手を探すケースを防いでいる」(中村氏)

 こうした「真剣なサービス」というブランドイメージを高めることで、いわゆる「出会い系サイト」と同一視されることを防ぎ、冷ややかな視線を向ける人を減らす狙いがあるという。

 より親近感・信頼性を高めるため、Pairsで実際に出会ったカップルを起用した体験談を「幸せレポート」として公式Webサイトに掲載するなどの取り組みも行っている。

photo 「Pairs」で恋人ができた人の特徴(=エウレカ調べ)

“恋愛ビッグデータ”も大きな武器

 金子慎太郎CTO(最高技術責任者)によると、ユーザーが自由に作成できる「コミュニティ」も他社との差別化要因になっているという。「音楽好き」「スポーツ好き」といった一般的なものから、「物件の見取り図が好き」といったニッチなものまで約10万件存在し、ユーザーは共通の価値観を持つ人を見つけやすいとしている。

 エウレカはユーザーの参加コミュニティのほか、体格、出身地、職種、年収――といったデータを取得し、アルゴリズムの改善にも生かしている。

 マッチングや交際に至ったユーザーのデータをAI(人工知能)に機械学習させ、相性の良い要素を抽出。異性を検索した際、より統計的に“ゴールイン”する確率が高い相手を上位に表示するなど、レコメンド機能に反映している。

 金子氏が会見で明かした一例によると、「岡山県生まれの女性×福島県生まれの男性」「革製品好きの女性×ドリップコーヒー好きの男性」――などが結ばれやすいという。

photo データで分かった意外な“恋の相性”(=エウレカ調べ)

 「競合他社がこうした仕組みを取り入れる可能性もあり得るが、エウレカには初期から蓄積した膨大なデータがある。データから生み出した独自のマッチングアルゴリズムは大きな武器だ」(金子氏)

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