土肥: このほかに注目している道の駅はありますか?
守屋: 岩手県山田町に「道の駅やまだ」というところがありまして、そこで「まめすっとぎ」という和菓子を売っているんです。青大豆、黒大豆、小麦粉、砂糖、塩などを使っていて、味はとても素朴。地元では、農作物の収穫時期につくって、神様にお供えをしていました。それを販売しているんですよね。
道の駅で、郷土の和菓子を売っているところは珍しくありません。地元の和菓子店が納品しているケースが多いのですが、ここは違う。地元の婦人会や個人がつくっているんです。
和菓子ってつくるのが大変ですよね。和菓子店は毎日つくっているので、それほど大変と感じないかもしれませんが、個人でつくるのは時間がかかって、手間もかかる。そうしたモノを道の駅で販売するということは、どういう意味が含まれていると思いますか?
土肥: うーん、なんだろう。はっ、運営者と地元住民の関係がうまくいっているから、手間がかかるモノでも店頭に並んでいるのでは?
守屋: その通り。運営者と地元住民の関係が良好でなければ、こうした商品は店頭に並ばないでしょう。でも、ここでしか買えないモノが並んでいたら、観光客が買う、地元の人も買う。売り上げが伸びると、つくっている人にもお金が入ってくる。じゃあ、またつくろうかという気持ちになる。そうすると、買う人が増える。といった具合に、いい循環が生まれるんですよね。
道の駅やまだは小さな施設なのですが、品ぞろえはバラエティに富んでいます。海が近いので、魚介類もたくさん並んでいるし、野菜もたくさん並んでいる。もし自宅の近くにこの駅があれば、毎日通っているかも(笑)。
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