4月某日、南房総。クルマを運転していた記者は、ちょっと気になることがあった。「どこか面白そうなところはないかなあ」と思って地図を広げたところ、あちこちに「道の駅」があったからだ。
20年ほど前、「道の駅」の看板を見ることは少なかったのに、なぜこんなに増えているのか。ちょっと調べたところ、道の駅は1993年に登場している。サッカーのJリーグが開幕したり、リストラという言葉が流行ったり、レインボーブリッジが開通したりするなかで、道路沿いに103駅が営業を始めたのである。
その後、どんどん増えていって、25年目の節目にあたる今年(4月)は1145駅に。オープン当初は、1県に2駅ほどしかなかったのに、いまは25駅ほどあることになる。地図を広げると、あちこちに道の駅があることに納得である。
「さっきから道の駅の話をしているけれど、行ったことがないから、よく分からねえよ」という人のために、簡単にご紹介しよう。道の駅とは、駐車場やトイレがある無料休憩施設のこと。駐車場とトイレは国土交通省がつくって、駐車場に面した土地に自治体が建物をつくる。そこで地元の野菜を売ったり、温泉を用意したり、食事を提供したり。運営をしているのは第三セクターや民間企業が多く、いわゆる“本部”といった組織はない。
……とここまで書いていて、気になることがひとつ。「道の駅」という同じ看板を掲げているのに、なぜ人気のあるところとそうでないところが存在しているのか。2012年に地域活性化センターが行った調査によると、売上高が10億円を超えるところは3%だったのに対し、5000万円未満のところは20%も存在しているのだ。
駐車場があって、トイレがあって、レストランもある。果物も売っていて、土産品も売っている。同じような形態なのに、なぜ売上格差が広がっているのか。その謎を解くために、『道の駅 旅案内全国地図』(ゼンリン)の編集長、守屋之克さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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