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コニカミノルタ常務を直撃 「副業解禁に踏み切った理由」「カメラ事業撤退」経験から得た危機感(2/4 ページ)

» 2018年05月10日 08時00分 公開
[勝木健太ITmedia]

リスクを恐れずリターンを得る

――具体的には、どのような副業が申請されているか。

若島: まず、「副業の実施内容(会社名、勤務日数/時間、業務詳細内容、雇用形態等)」「取り組もうと思った動機」「兼業・副業を通して、コニカミノルタにどのような貢献ができると考えるか」という3つのポイントを人事部長宛てに申請してもらっている。特に当社にとってどのような貢献ができるかどうかを重視し、イノベーションの起点になり得るかどうかを判断する。

 現状で言えば、コンサルティングや顧問業務が多く申請されている。これまでの実務経験で培った専門性を世の中に役立てたいという動機が多いようだ。形態としては、業務委託というパターンもあるし、自分で起業するパターンもある。4月末時点で、合計14人を承認している。

phot 「副業解禁」の概要(同社Webサイトより)

――リスクにはどのように対処しているか。

若島: 「人財流出」「機密保持」「健康配慮」「競業避止」など、さまざまなリスクを社内でも慎重に検討し、明文化した。その上で、「健康配慮」「機密保持」「競業避止」については誓約をしてもらっている。

 もちろんリスクへの配慮は必要だが、追いかけ出せば「キリ」がない。それよりも、従業員を必要以上に縛り付けることなく、「性善説」ベースで考えることが、イノベーションを生むための企業文化を醸成する上では重要だと考えている。

 また、リスク面を慎重に検討した上でという前提の話だが、兼業・副業を解禁し、イノベーションの創出を促すことは、企業価値の最大化という観点からも、取り組む価値のある重要な施策であるとの結論で一致し、制度導入に踏み切った背景がある。

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