最後に、フリーアドレス導入にともなう管理職にありがちな意見について。「自分の席がなくなるのは淋しい」「部下の管理がしにくい」といった声は多く聞かれる。
長年、管理職は部下を見渡すように座り、役職が上がると管理職に近い机に移っていくという従来型のオフィスで仕事をしてきた。その机がなくなるのは、自分が勝ち取ってきたものを奪われるように感じてしまうかもしれない。いちいち私物をロッカーにしまうのは面倒だし、「学生か?」などと愚痴の1つも言いたくなるだろう。
部下が1カ所に集まっているとは限らないので、あちこちに声をかけなくてはならないし、部下の顔が見えないから、声や顔で調子を判断したり、タイミングよく注意したり、励ましたりすることもしにくくなる。
まずはフリーアドレスがもたらす新しい価値、良い面にも目を向けよう。「自分の席がなくなる」のではなく、「気分や用途に応じて働く場所を選んでいい」と思えばいい。何よりも、フリーアドレスを導入した多くの企業が、管理職が率先してフリーアドレスに対応することこそ成功への鍵だと語っている。管理職は自分がキーパーソンになるという自覚をもってフリーアドレスに臨むべきである。中途半端なフリーアドレスでは、その成果を十分に上げることができないからだ。
部下の側も、「上司の前でがんばる自分」をアピールすることができず、成果で評価されるようになる。新しい制度に戸惑い、迷うのは、管理職も部下も変わらない。
新しい環境で実際に働くのはあなた自身。あなたの会社がフリーアドレスを導入するということになったら、ぜひ先入観やとまどいを捨てて臨んでほしい。
(アスクル「みんなの仕事場」運営事務局)
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