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ヤン・ウェンリーが込めた思い 組織のためではなく、自分のために働け銀河英雄伝説からビジネスリーダーは何を学ぶべきか?(3/3 ページ)

» 2018年06月01日 06時45分 公開
[阿部圭司ITmedia]
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 私が考える理想の働き方とは、個人の目標が、組織の目標と同じルートをたどっていることです。

 ただし、個人に限らず、組織の目標が変わることがあって然るべきですから、そのルートを外れることがあれば、個人が別の道を目指すことになることも許容しなければならないと考えます。ルールが変わるのだから当然のことです。

組織の目標のルートから個人の目標が外れてしまうこともある 組織の目標のルートから個人の目標が外れてしまうこともある

 コミュニティーを人体に置き換えるとすれば、人は血液です。血液が循環するからこそ健康体でいられるわけで、人の入れ替わり自体を過剰にネガティブに捉えるのは間違いかもしれませんね。

 人が会社を辞める。それは確かに悲しいことです。一時的にでも志を同じくした仲間が離れることは、何度経験しても寂しいことです。しかし、大事なことは、人としても、組織としても少しでも前に進むことです。

 そう考えていくと、広義の意味での組織のあり方とは、人材輩出にほかなりません。人材輩出にはさまざまな意味合いがありますが、最も大事なことは思想の継承でしょう。

 「あの会社で学んだからこそ」

 「あの会社にいたからこそ」

 「今の自分のベースはあの会社でできた」

 など、こういったサイクルができれば、少なくても組織に属する意味は大きいですし、組織の存在意義も非常に大きくなります。

 私がここでお伝えしたいことは、組織は人材輩出を目的とし、個を押さえ付けるのではなく、解放させることを目指すべきであり、志がそれることがあれば仕方なしとしてスタンスを改めて見直す必要があるかもしれないということと、個人では自身の望む働き方が許容される組織を見つけるべきであるということです。

 そして、組織で働く人々は誰のためでもなく、自分のために働くべき。

著者プロフィール

阿部圭司(あべ けいじ)

アナグラム株式会社 代表取締役

大手アパレルメーカーを経て運用型広告の世界へ。現在は運用型広告の運用、改善だけではなく、さまざまなビジネスの最大化を目指す取り組みを支援。著書は「新版 リスティング広告 成功の法則」「いちばんやさしいリスティング広告の教本 人気講師が教える利益を生むネット広告の作り方」など。あったかふくしま観光交流大使を務める。


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