本を読んでいて、最も衝撃を受けたのが寿司職人のエピソードである。日本で寿司職人の経験がないのにもかかわらず、それをごまかして採用されたという話も驚きだったが、現場で展開されている衛生観念そっちのけの調理方法に仰天してしまった。大きな魚をさばくときには厨房の床にまな板を敷いて行う。このほうが血しぶきを洗い流しやすいので、合理的なのだという。生魚も台所に放置している。その理由は「どうせ加熱するから」だそうだ。
パクリ遊園地にも絶句してしまった。諸事情により使えなくなったパクリミッキー、ミニーのぬいぐるみを見せてもらったところ、危ないクスリを服用しているかのようなぶっ飛んだ顔だった。さらには映画『白雪姫』に登場する「7人のこびと」をパクっているのにもかかわらず、「これは普通の小人だ」と言い張る様子などにも絶句してしまった。
西谷さんは中国で遊園地でも働いていた(写真と本文は関係ありません)
なんだろう、このテキトーさは。反日ドラマを撮影している監督に日本の焼酎をプレゼントすると大喜びされるなど、スタッフが純粋に映像をつくるのを楽しんでいて反日感情がなかったというエピソードも引き込まれてしまった。
話を聞いていて、こう感じた。意識高い系の経営者はよく「中国の若者は優秀だ。負けるな、日本人」といったことを言う。このようなことを話す人に言いたい。「中国の若者が優秀」なのではなくて、「中国には優秀な若者もいる」というのが正しいのではないかと。中国の現場では「とりあえず雇ってみる」という慣行が定着していて、雇う側も働く側もなんとなくテキトーなようだ。
西谷さんの話は、いかにも中国をからかう嫌中ネタのように感じる人もいるかもしれない。中国での出来事が日本人の常識を大きく超えているので、日本で同じようなことをSNSに投稿するだけで大炎上しそうである。ただ、中国ではそこに合理性のようなものがあって、だんだんそちらのほうが正しいのではないかと感じてしまう。
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