さかのぼること今から100年前、20世紀初頭。「精神的かつ知的な休息は、労働者の健康のために不可欠である」との理由から、週休とは異なる連続休暇をを取ることが労働者の権利だとする考え方が欧州の労働組合に存在していました。
1926年にはスウェーデンの労働者に「有給休暇」という概念が広まっていて、35年にはほとんどの欧州諸国の企業が、労働者に有給休暇を与えていたとされています。
そこでILOは36年、「1年以上継続して働く全ての労働者は、連続した最低6労働日の有給休暇を享受する」とした条約(第52号条約)を定め、「この最低基準を超えるものに関してのみ、特別に有給休暇の分割を認める」としたのです。
第52号はその後改訂を重ね、現在は70年の第132号条約が世界基準です(以下抜粋)。
つまり、20日間の有給休暇が付与されている場合、少なくとも10日は連続して休むことが求められる。ところが残念なことに、日本はこの条約を批准していないのです。日本は先進国の中では珍しくILOの条約のいくつかを批准していないのですが、そのうちの1つが「年次有給休暇に関する条約」です。
日本人の夏休みはせいぜい1週間ですが、欧州ではひと月近く休むのが当たり前なのもこのためです。
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