『24時間テレビ』などは、その典型的なケースと言える。
ご存じのように、同番組は1978年から、「愛は地球を救う」のスロガーンを掲げ、障害のある方たちを感動的に取り上げてきた。ある時は、アイドル主演のドラマで、ある時はスポーツやパフォーマンスの挑戦で、「感動をありがとう!」という声を世につくりあげてきた。
では、40年にもわたって、障害者の美談をせっせっと世に触れ回ってきたこの番組によって、日本人の障害者に対する意識が何か変わったのかというと、残念ながらそうとは言い難い。
内閣府が行なった世論調査(2017年)では、「世の中には障害者に対して差別や偏見がある」と回答した人は83.9%に及ぶ。5年前は89.2%、10年前は82.9%ということを考えると、日本人の意識に大きな変化は見られない。
国際比較をすれば、もっと厳しい現実が浮かび上がる。「障害者の社会参加促進等に関する国際比較調査」(07年)によれば、障害のある人々の手助けやボランティアや交流活動の経験について、「したことはない」と回答した人の割合が、米国やドイツの場合2〜3%程度なのに対して、日本の場合、31.3%にも及んでいたのだ。
遅れているのは「意識」だけではない。
つい最近、中央省庁が障害者雇用の水増しをしていることが明らかになったが、障害者年金など公的な現金給付に関しても、先進国の中で低い水準で、約4分の1の障害者が貧困に苦しんでいるという調査もある。
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