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» 2018年09月13日 13時17分 公開

赤坂8丁目発 スポーツ246:高橋由伸監督は続投しなければいけない、巨人の苦しい事情 (2/4)

[臼北信行,ITmedia]

「高橋監督、続投」の推論

 こうしたヤングGたちの成長に関し、山口オーナーは「監督やコーチ陣が力を合わせて若手を育てようとしたのも大きかったと思う」と現体制の育成能力を評価。あえてチーム成績には目をつぶる格好で「まだペナントレース途中だからこの先のことはあれこれ言える時期ではないけれども十分にチームを整えて、監督には腕を振るってもらいたいな、というふうに私は考えている」と多くのメディアの前で指揮官を続投させたい意向を世に示した。

 だが、周辺からは「オーナーの発言は額面通りに受け取れない」「まだ、どうなるか分からない」などと指摘する声も聞こえてくる。高橋監督は3年前の2015年オフ、当時の原辰徳監督が退任したことを受け、球団側からの指揮官就任要請を受諾。現役にこだわり続けていたものの球団幹部ら有力者たちの強い説得に応じ、引退して即座に監督就任という大役を引き受けた経緯がある。球団OBの1人はこう言う。

 「3年前の由伸は、まだまだ自分は選手として戦えるし、しかもいきなり監督なんてできるわけがないと考えていた。由伸のことをよく知る人間ならば、誰もが彼はそういう気持ちだったと感じていただろう。もちろん球団側だって、それは分かっていたはず。しかし筆頭の後任候補にしたかった超大物OBの松井(秀喜氏)にその気がまるでなく、原に代わる次の適任者が由伸しかいなかった。だから無理を承知で頭を下げ、彼になってもらうしかなかった」

 そう考えれば無理矢理、現役を引退させて指揮官になってもらった高橋監督のことは、簡単に“ポイ捨て”などできるわけがない。しかも、ちょうど原前監督からバトンを引き継いだ16年シーズンはそれまで主力を務めていた阿部慎之助捕手や先日引退した村田修一内野手らベテラン選手の力が徐々に衰えを見せ始め、これから本格的に若手への切り替えが求められる過渡期にさしかかろうとしていた難しいタイミングでもあった。

 実際、プロ野球界で「原はちょうどいい時に辞めたが、由伸は貧乏くじを引かされてしまったのかもしれない」という指摘は今でもよく飛び交っている。こうした負い目があるからこそ、山口オーナーは続投要請する意向を示すしかなかったのではないだろうか――。そう推論を立てる有識者は1人や2人ではない。

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