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» 2018年09月13日 13時17分 公開

赤坂8丁目発 スポーツ246:高橋由伸監督は続投しなければいけない、巨人の苦しい事情 (3/4)

[臼北信行,ITmedia]

巨人の苦い経験

 今季で4年連続のV逸となると球団史上2度目で、03年から06年シーズンまでの球団ワーストタイ記録に並ぶ。この記録の中には「史上最悪の暗黒時代」と揶揄(やゆ)され、堀内恒夫氏が監督を務めた04年から2シーズンの「堀内巨人」も含まれているから、もしかするとその悪夢の再来が頭をよぎるファンは多いかもしれない。ただ、事情通は次のように念を押す。

 「そういう意味でも当然、球団内に危機感を覚える関係者は多いが、それはもう飲み込むしかないだろう。影の最高権力者のナベツネさん(親会社の読売新聞グループ本社代表取締役・渡邉恒雄主筆)だって本音はどうだか分からないが、これだけチームがボロボロになっても『由伸は名監督』などと批判を一切せずに持ち上げ続けている。本社内部でもナベツネさんの後継者ともっぱらの山口オーナーも主筆と同じ考えであることは言うまでもない。

 たとえ『由伸を辞めさせろ』という強硬なまでのブーイングが強くても、いざクビを切ってしまうと揚げ足取りが多いネットユーザーの書き込みを中心に『わざわざ現役を辞めさせ、成り手のいない監督の大役まで引き受けてもらったのにさっさとクビを切ってしまうなんてあまりにもひど過ぎる』と猛烈な手のひら返しを受けてしまう流れは容易に想像もつく。こうした展開を球団幹部や親会社のトップが警戒しているのは言うに及ばない」

 かつて1980年シーズン、巨人と親会社には苦い経緯がある。当時、「ミスター」こと長嶋茂雄監督率いるチームが開幕早々にペナント争いから脱落。バッシングがすさまじい勢いでピークに達し、同年の10月末に長嶋監督が事実上の解任に追い込まれると、ファンは「なぜ辞めさせるのか」と突然怒りの矛先を親会社に向けて読売新聞と系列スポーツ紙・報知新聞の不買運動へと発展した。

 高橋監督がミスターほどのスーパースターとは言い難いにせよ、両者には引退の翌年に指揮官就任を果たすなど共通項もあり、38年前のように球団側が解任する形を取ることになると二の舞を演じる危険性はゼロと言えない。

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