高橋由伸監督は続投しなければいけない、巨人の苦しい事情赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2018年09月13日 13時17分 公開
[臼北信行ITmedia]
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続投しなければ新たな難題

 前出の球団OBはこのようにも話す。

 「もし2年連続のBクラス、あるいは最下位となってしまったら由伸は責任感の強い男だけに幹部に進退伺を提出するのではないか。もちろん球団側は慰留することになるだろうが……。でも内心で、ひざを叩いて喜ぶ関係者も少なからず出てくるはず。これだけ優勝を逃している上に正直言って人気もパッとしないのだから、由伸体制に不満を持っている人間は大勢ではないにせよ球団内にもいるわけだからね。

 強く引き止めて続投要請をしたものの、本人の意志があまりにも固く残念ながら任期満了で退任となった――という流れになれば、世の中も納得せざるを得なくなる。“反由伸派”の人たちにとっては願ったり叶ったりの展開になるのかもしれない」

 しかしながら仮に高橋監督が続投要請を拒むとなると新たな難題も生じてくる。後任探しだ。前横浜DeNAベイスターズ監督で球団OBの中畑清氏の名前も一部から挙がっていたが、「かつて助監督の就任要請を断ったことで渡邉主筆との確執が残っている」「実は本人があまり乗り気ではないようだ」などの情報も伝わっていて、最近ではすっかりトーンダウン。

 いまだ水面下でラブコールを送る松井氏も、もう1つの古巣であるニューヨーク・ヤンキースでGM付特別アドバイザーを務めており、巨人では春季キャンプで短期間の臨時コーチ業務に就くのが今のところ精いっぱいのようだ。ほかにめぼしい「生え抜きOB」の適任者は見当たらず実際のところ、何だかんだ言っても巨人としては由伸体制をこのまま維持させるしか道はないのかもしれない。

 球団側の続投要請にイエスかノーか。いずれにせよ高橋監督の最終決断に巨人浮沈の行方がかかっている。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2014年ブラジル、2018年ロシア)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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