“追放”されても貴乃花親方VS. 日本相撲協会の土俵外バトルはエンドレス赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2018年09月26日 10時54分 公開
[臼北信行ITmedia]

 まさか、このような結末になるとは予想だにしなかった。日本相撲協会から貴乃花親方が退職を表明。9月25日には会見を開き、3月に提出して後に取り下げた「告発状」の根拠が事実無根であったことを認めなければ一門に入れないと協会側から水面下で圧力をかけられていたと主張し、大きな波紋を呼んでいる。

 すぐさま協会側も貴乃花親方の主張を否定し、両者のミゾは埋まらないまま“ケンカ別れ”に終わる形になった。一時代を築き上げて本来ならば功労者となるべきはずの平成の大横綱が廃業に追い込まれるなんて正直、想像もしたくなかった。

 世間からは貴乃花親方に同情論が集まり、もっぱら擁護する声が大勢を占めている。どちらかと言えば筆者も協会か、もしくは貴乃花かと問われれば後者の肩を持ちたい。協会側は真っ向から否定しているが、誰がどのように見ても貴乃花親方に対する相撲界内部での風当たりはすさまじく「追い出し工作」がジワジワと進められていたことは明らかだった。

平成の大横綱が廃業に追い込まれてしまった(写真提供:ゲッティイメージズ)

 実際、貴乃花親方に対しては元横綱日馬富士の貴ノ岩に対する暴力行為を告発する前から協会内部で煙たがる風潮が強かった。そういう流れが、この「貴乃花の乱」によって拍車がかかり、今回の悲劇を招いたような気がしてならない。

 貴乃花親方を廃業に追い込んだ“真犯人”が実は協会内部に存在し、緻密なまでのスキームを作り上げて幹部たちに入れ知恵を与えていたとの怪情報もある。これは一連の騒動を取材している一部関係者の間でもささやかれている話だ。旧態依然とした「伏魔殿」と呼ばれても致し方ない協会内部の暗部にメスを入れ、急進的な改革を推し進めようとしていた貴乃花の存在をウザがって結果として追放に追い込むことができたのだから、彼らとしては心底万々歳だろう。

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