しかし、本当にそれでいいのか。ものを言う存在を排除し、都合のいい人物だけで脇を固めるやり方は独裁政治と何ら変わりはない。前時代的なムードを打破する意味においても協会は「野党」のような貴乃花親方を排除せずに、むしろ共存させる方法を模索するべきであった。
少々乱暴な指摘かもしれないが、それほど賢くない相撲協会の幹部連中が裏で「貴乃花親方追放」のストーリーラインを描いていた黒幕の言うがままに乗せられてしまった感は残念ながら否めない。たとえいまだ悪い意味での昭和的発想にばかりとらわれがちな協会でも「情」というか「包容力」があるのかなと思っていたが、それは完全なる見当違いだったようだ。
本当に協会のお偉方は器の小さい人たちばかりで、あらためてあきれ果てている。ルールの盲点を突く形で事実上の「パワハラ」と猛批判を浴びせられても、何ら弁明はできないであろう。
ただ一方で今回、貴乃花親方が選んだ道が正しかったかと言えば、そうは思わない。圧力をかけられ続け、業を煮やして退職願を出す腹を固めつつあった貴乃花親方に対し、数少ないながらも協会内部には「とにかく早まってはいけない」と思いとどまるように説得していた親方や関係者もいたと聞く。
「告発状の真偽うんぬんは別にして、せめて一連の騒動で世間を騒がせたことに関してだけでも協会幹部に頭を下げていれば、また彼らの心象は変わって“ケンカ別れ”などということにはならなかったのではないか」と持論を述べる協会関係者も複数いる。
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