“追放”されても貴乃花親方VS. 日本相撲協会の土俵外バトルはエンドレス赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2018年09月26日 10時54分 公開
[臼北信行ITmedia]

立派かもしれないが犠牲者も出た

 貴乃花親方の頑固過ぎる姿勢、そして意地とプライドが和解の道のりの障壁となり、ひいては最悪の結末を招いてしまったことは否定できない。新弟子当時の藤島部屋時代から貴乃花親方を知る人物は、こうも打ち明ける。

 「彼(貴乃花親方)は現役時代から一歩も引くことができない性格。正義だと結論付けたことには100%妥協しない。それがいいところでもあり、悪い部分でもある。こうなんだと確信し、譲れないと決めたらテコでも動かない。だから今回の一連の騒動でも自分の信念を曲げられず貫き通したということでしょう。そういう観点から考えれば、彼はとても立派です」

 しかしながら個人的観点から見ると確かに「立派」かもしれないが“犠牲者”が出てしまったことも、貴乃花親方は肝に銘じるべきであろう。貴乃花部屋所属の貴景勝、貴ノ岩、貴源治ら弟子たちは千賀ノ浦部屋に移籍することが決まった。路頭に迷うわけではないとはいえ、信頼していた主の親方を突然失った彼らのショックは計り知れない。このようなことはないと信じたいが、新しい部屋で「造反した親方の愛弟子」というレッテルを貼られ、窮屈な思いを強いられながら稽古に励まなければならないのではないかと思うと彼らがふびんに思えてならない。

 一説には貴乃花親方が新たな相撲団体を設立し、協会の対抗馬として自分の理想を追求していくのではないかとも見られている。ネット上でも騒がれているが、かつてプロレス界でアントニオ猪木が老舗の日本プロレスを追放されて新日本プロレスを設立し、日本のトップ団体にまで伸し上げたような流れを貴乃花親方に期待する向きがあるのは多くの格闘技ファンも知っているだろう。

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