急成長する新規事業 昼間の和民にどんなお客が押し寄せているのかこの手があったか(1/2 ページ)

» 2018年10月10日 06時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

 「2018年3月期におけるインバウンド事業の客数は前年比約140%です」

 ワタミの広報担当者は好調な新規事業についてこのように説明した。同社は「和民」をはじめとする既存の居酒屋業態を立て直そうとしている。2018年3月期決算資料によると、和民の既存店売上高は前年比を上回っている。そして、冒頭に紹介したインバウンド事業がその“復活”に貢献しているというが、どんなビジネスを展開しているのだろうか。

photo 既存主力業態である和民は業績が回復しつつある(出所:和民公式Webサイト)

インバウンド事業が好調

 ワタミはかつて2期連続の最終赤字に陥った。主な原因の1つは国内外食事業における既存店の売上高が減少したためで、不採算店舗の整理に追われていた。

 国内外食事業をテコ入れするため、ワタミは14年度決算資料で「外部営業を強化し、企業や団体との提携、連携を図る」という方針を打ち出している。具体的には、若者需要を掘り起こすために全国200の学生サークルなどの囲い込みを行ったり、インバウンド需要に対応したりといった内容だ。

 この中で大きな成果を出しているのが冒頭で紹介したインバウンド需要への対応だ。同社は15年5月に専門部署を設置し、旅行代理店などに向けた法人営業を実施している。主な狙いは、訪日外国人観光客を居酒屋に呼び寄せることだ。

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