コラム
» 2018年11月08日 07時00分 公開

為替リスクには注意だが:元本保証で利息3% 世界一安全な米国債を買ってみた (3/5)

[トレイシー,ITmedia]

手数料が為替手数料だけなら、安いところで買いたい

 ここまでは理解できましたが、まだ買いませんよ。どこで買えばいいのか証券会社を選びます。

 債券は投資信託と違って銀行で購入することはできません。各証券会社のWebサイトで外貨建債券のページに進むと、新発債と既発債のページが分かれているので、既発債のリストから銘柄を探すことになります。新発債は新規に発行する債券の買手を募るものであり、既発債は発行済みの債券が市場で流通しているものを指します。新発債はごく稀にしか募集されていない模様。既発債も各社の在庫状況により、取扱銘柄は変わるようです。

 米国債には利付債とストリップス債の2種類があります。通常、利付債には償還時まで決まった利率で利息が支払われる固定利付債と変動利付債がありますが、米国債は前者です。購入時に償還までの利率が確定し、あらかじめ決められた一定額の利息を年2回受け取ることになります。元本に利息を組み込み、複利で増やすことはできません。

 もう一つの「ストリップス(STRIPS)」とは聞きなれない言葉ですが、Separate Trading of Registered Interest and Principal of Securitiesの略で、元本と利息を離して、割引債として販売されるものになります。簡単に言えば、年に2回の利払いがない代わりに、額面よりも安い値段で購入できる債券です。期間中の利息は元本に組み込まれ、再投資をしたものとみなすので、複利効果が得られます。この仕組みにより、例えば30年後の満期時は100ドルを受け取れる債券を、41ドルで買うことができるのです。表面利率がゼロであることからゼロクーポン債とも呼ばれ、長期のものほど安い価格で購入できるのが特徴です。

利付債とストリップス債の違い 利付債とストリップス債の違い

 今回の取引を行うにあたり、各社の品揃えがかなり違うことが分かったのは面白い発見でした。取扱銘柄はネット系よりもむしろ大手の方が多いのです(表1)。ネット系の良さは小口での取引が可能ということ。SBI証券と楽天証券は100通貨単位から取引可能です。一方、ネット系でもマネックス証券と野村、大和、SMBC日興の大手三社は1000通貨単位からの取引となります。つまり、SBI証券と楽天証券であれば100ドルから購入できることになります。

表1 取り扱い銘柄数は次のような違いがあった(2018年10月26日時点)
証券会社 利付債      ストリップス債  
SBI証券 5 6
楽天証券 2 2
マネックス証券   4 6
野村證券 11 17
大和証券 0 2
SMBC日興証券 4 15
出典:各社Webサイト

 手数料に関しては、取引手数料と口座管理手数料は基本的にかかりません。でも、外貨建ての商品ですから両替が必要になります。外貨預金も同じですが、両替時の為替レートは、基準レートに手数料分が上乗せされたものになります。為替手数料(適用為替レートとの基準レートの差分を意味することから為替スプレッドと呼ばれる)は大手三社の場合は1通貨単位で往復50銭、ネット系の場合は同25銭。ただし、SBI証券の場合、系列のSBI住信ネット銀行の外貨預金を経由すると通常25銭のところが4銭になることが分かりました

 為替手数料は取引で支払う唯一の手数料です。円高の時に買ってある米ドルが使えるならそれに越したことはありません。私の場合、SMBC信託銀行プレスティア(旧シティバンク)に1ドル90円台で購入して保有している米ドル預金があり、米ドル入金が可能な証券会社と取引できれば、為替リスクも小さくできます。結論から言えば、SMBC日興証券であれば手数料なしで可能なのですが、口座を持っておらず手続きに時間がかかりそうです。取扱銘柄数も充実していますが、今回は見送ることにしました。

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