やっと購入です。今回はあくまでもお試しの小口購入ですから、為替手数料が安く、小口での取引が可能なSBI証券から購入することにしました。実際に購入したのは利付債(表面利率:2.625%、単価:100.30、償還日:2020/8/31)とストリップス債(表面利率:0%、単価:74.80、償還日:2028/11/15)の2つです。
購入にあたり、住信SBIネット銀行で日本円20万円分を米ドルに両替したところ、1785.39ドルとなりました。適用為替レートは112.02円。為替スプレッドは4銭なので、両替手数料として72.03円を支払ったことになります。購入した米ドルはそっくりそのままSBI証券に入金し、利付債を1003ドル(11万2356円相当)、ストリップス債を748ドル(8万3790円相当)で購入しました。満期時の償還額はそれぞれ1000ドルとなります。
30年ものを選ばなかったのは、リスクの部分で触れたように、10年ものであれば途中売却なしで持ち続けることが可能と考えたからです。もうひとつ、中・長期の金利差が小さいことが気になりました。通常、残存期間が長い債券の金利は短い債券の金利を上回りますが、現在、長短金利の差が縮小してきています。ここで30年ものを買っていいのかどうか、よく分からなかったので見送りました。今後は金利のトレンドまで踏まえた判断が必要になりそうです。
表2の「利率」とは表面利率のことで、償還時の最終利回りは「参考利回り(税引前)」で示されています。表面利率は額面金額に対して支払われる1年間の利子の割合ですが、利付債の最終利回りが表面利率と異なるのは、購入予定価格が時価のために100ではないことが関係しています。満期時の受取額は常に100ですから償還差損/償還差益に、年2回の利払い額を加味して再計算すると最終利回りが分かります。
これは余談になりますが、住信SBIネット銀行は外貨預金に力を入れており、米ドルの2年定期預金を2.5%(税引前)で提供していたのです。定期預金の場合、途中解約時の適用金利は大幅に低くなるものの、満期時の元本は保証されます。一方、債券を途中で売却する場合、保有した期間中に得られる利払いは表面利率が必ず適用されますが、元本を回収できるとは限らないという特徴があります。表2で示された参考利回り(税引前)で比較すると、今回利付債を買ったのは合理的な判断ではありませんでした。
参考利回りの計算方法は次のようになります。利付債は単利、ストリップス債は複利(残存年数が1年未満の場合は単利と同じ)の商品なので、それぞれ計算方法が変わります。
利付債の場合は2.455%(残存年数:1.84)
単利最終利回り=(満期償還額×表面利率×残存年数+満期償還額―買付価格)÷残存年数÷買付価格
ストリップス債の場合は2.913%(残存年数:10.05)
複利最終利回り=(満期償還額÷買付価格)^(1÷残存年数)−1
上の式は残存年数を除くと、そのままExcelの設定で計算できます。手計算は非常に煩雑なのでお勧めしません。複利最終利回りの場合、計算式に「^(1÷残存年数)」とあるように、n乗根を開かないといけないのですが、既発債の場合はnになる残存年数が整数になることは稀でしょうから、この部分はYEARFRAC関数を使いました。
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