一休の榊社長も「旅先では宿泊施設から一歩も出ないことが多い」という
土肥: 榊さんは、サイトを利用しているお客さんと、月1回ペースで食事をしているんですよね。高級宿に泊まる人って、どんな感じで利用しているのでしょうか?
榊: 旅行先に興味をもっている人は、ほとんどいません。
土肥: ん? 「北海道に行きたい」「沖縄に行きたい」「だから泊まるところはここで……」といった考え方をしていない?
榊: 自分を癒やしてくれるホテルや旅館があれば、北海道でもいいし、沖縄でもいい。このような考え方をしているので、「○○温泉に行くので、どこかいい宿はないかなあ?」といった質問を受けたことはほとんどありません。「どこかいい宿はないの? あ、そこがいいの。じゃあ、予約するわ」と言って、その場でスマホを取り出し、予約するといった感じ。宿に泊まっても、外に一歩も出ない人が多いですね。
土肥: え、そうなのですか。ワタシなんか、旅行に行けば「有名な神社に行って」「キレイな紅葉を見て」「地元のおいしいご飯を食べて」といった感じでスケジュールを詰めに詰め込んで、クタクタになる。
榊: モノへの投資ではなくて、過ごす空間であったり、過ごす時間だったり――。そのようなことに価値を感じる人が増えてきたのではないでしょうか。
(終わり)
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