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リカレント教育は日本に根付くのか。その背景にあるもの盛り上がっている(1/3 ページ)

» 2018年11月28日 08時00分 公開
[猪口真INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)

株式会社パトス代表取締役。


 リカレント教育とは生涯教育、つまり生涯にわたって学び続けるということだが、ここへ来て社会人大学など、話題としてはかなりの盛り上がりを見せており、実際に一般の社会人が通える教育施設が増えてきているという。

労働者不足と働き方の多様化がマッチ

 社会人教育の必要性はかなり以前から言われてきたことだが、さほどメジャーになることは少なかったのだが、ここへ来ての盛り上がりには、それなりの理由がありそうだ。

  • 少子高齢化がこれからさらに進むことで労働力が不足し、高齢者であっても労働力が必要になる
  • AIが仕事を奪うなどという、将来自分の仕事がなくなるかもしれないという危機感を多くの人が持つようになってきた
  • AIだけではなく、グローバル化により海外の労働者との競争も生まれている
  • 企業が社員に与える教育が不足し、キャリアのためには個人としてスキルアップすることが必要になってきた
  • 健康寿命が伸び、定年を過ぎても何年も働くことができる
  • 裕福な人だけではなく、多くのビジネスパーソンの社会への貢献意識が高まり、企業の営利目的だけの仕事だけではなく、社会に対する貢献という目的を求めるようになってきた
  • 教育のグローバル化が進み、欧米教育先進国が良い意味で影響を与えている
  • 出産後の母親が復帰する際のサポートが不足しており、働く母親の学ぶニーズの高まり

 こうした時代背景によって、就業後の「学ぶ」手段が増えてきた。

 加えて、なんといっても大きいのが、政府による「人生100年時代構想会議」の中で、リカレント教育が推奨されていることだろう。

 あらゆる人に対して高いレベルの教育の機会を与え、年齢には関係なく学べる環境をつくることが必要であり、そのための奨学金の準備をいかに行い、学んだ人たちが働ける受け皿を準備することが必要であることが議論された。

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