海外で人気の「サブウェイ」は、なぜ日本でイマイチなのか組み合わせは3700万通り(1/5 ページ)

» 2018年11月29日 08時00分 公開
[印南一路ITmedia]

 「SUBWAY(サブウェイ)」は、パンの生地、野菜、トッピング、ドレッシングなど、オーダーメイドでサンドイッチを選ぶ方式のファストフード店です。2014年には日本国内で480店展開していましたが、その後閉店が相次ぎ、304店舗(2018年11月現在)まで縮小しました。海外ではマクドナルドより店舗数が多いサブウェイですが、日本ではかなり苦戦しているようです。なぜでしょうか?

 もちろんもっと魅力的なファストフード店が他にあるから、価格が高く感じるからなど、苦戦にはさまざまな理由があるでしょうが、苦戦の理由の1つに、オーダーメイドで選ぶサンドイッチの組み合わせが多くあり、人によっては注文の仕方が複雑と感じてしまうこと、オーダーに時間がかかることがあるのではないでしょうか?

日本のサブウェイはなぜ伸び悩んでいるのか(写真提供:ゲッティイメージズ)

「サブウェイ方式は面倒」と感じる日本人

 人は何かを選ぶとき、豊富な選択肢があればその中から最適・最良・最善のものを選ぼうとするのが普通です。ところが皮肉なことに、選択肢が多くなると選ぶことが困難になり、先に目についたものや推薦されたものを安易に選んだり、決断を先送りしたりする人が出てきます。

 選択肢が多くなるほど選ぶことを面倒だと感じるというケースを、米国生まれの世界最大のサンドイッチチェーン店「サブウェイ」の注文の仕方を例に説明しましょう。

 日本サブウェイの公式Webサイトによれば、同店のサンドイッチの組み合わせはなんと3700万通りもあるそうです。

 まず基本になるサンドイッチの種類を1つ選び、次に5種類の中から好みのパンを1つ選びます。3つ目のステップで8種類のトッピング(有料)の中から、必要に応じて好きな具材を追加し、4つ目のステップでパンにはさむ野菜を5種類+好みでトッピング無料の3種類の中から組み合わせて選びます。5つ目のステップで9種類のドレッシングとソースの中から好みのものを選べばようやく完成です。

 サブウェイには、パンの生地や野菜などを好みに合わせて選べる楽しみがあるとはいえ、「多くの組み合わせの中から、たった1つを選ぶのは面倒だ」と感じて敬遠する人は少なくないでしょう。

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