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» 2018年12月06日 06時30分 公開

ここが変だよ、日本の「働き方改革」:残っても地獄、辞めても地獄……多くの日本人が悩む働き方の現実 (2/4)

[伊藤慎介,ITmedia]

残っても地獄、辞めても地獄

 「辞める」「辞めない」で悩んでいる人からキャリア相談を受けることが時折あるが、そういう人たちには次のように話している。

 今の会社でやりたくてもやれない不自由を感じていたとしても、辞めたところで本当にやれるかどうかは全く分からないということ、日本はまだまだ肩書き社会なので、今の会社名や肩書きがなくなったときに社外の人や同僚が変わらなく付き合ってくれるかというと、それは全く未知数であるということだ。

 それだけのリスクを背負ってもどうしてもやりたいことがあればやるべきだし、覚悟が固まりつつあるのであれば、他人の意見は聞き過ぎないほうが良いとも言う。要するに、日本の場合は、「残っても地獄、辞めても地獄」ということが往々にしてあるので、強い覚悟がなければ無駄なリスクをとるべきではないのだ。

既得権益を守り、リスクをとらない

 こういったことも含めて、ベンチャー企業の経営を4年間やってきて思うのは、日本は世界と比べて圧倒的に挑戦者や意欲のある人が肩身の狭い思いをして過ごさざるを得ない社会であるということだ。

 先日参加したイスラエル関係のセミナーでは、数多くの日本人がイスラエルのベンチャー企業を訪問するものの、その大半が話を聞いて帰るだけの“Listen & Leave”だと聞いた。同じようなことは米国のシリコンバレーでも中国の深センでも起きているらしい。

 日本のベンチャー企業についても同じだ。大企業の中には勉強したいという理由だけでベンチャー企業の社長の話を聞きたがる社員が数多くいる。しかし、限りある時間でチャンスをつかもうとしているベンチャー企業に対して、「何ができるのか」を考えて少しでも貢献できることを提案するか、何もできないのであれば「残念ながらうちの会社が協力できることはない」とはっきり言ってあげたほうが、お互いに無駄な時間を使ったり、淡い期待を持ったりしなくて済む。自分自身も数多くの大企業や投資家とお会いしたが、ずっと期待を持たせておきながら最後には「やっぱり無理です」と言われたり、結果を教えてもらえないまま連絡が途絶えたりする経験を何度もした。

 挑戦者が不遇なのは大企業の中でも同じだ。

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