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外国人に聞いた、日本で就職する際に苦労したことは? 英語話せるのに“アジア人”はダメなケースも……日本の職場のいいところは?

» 2018年12月25日 14時40分 公開
[ITmedia]

 日本に住む外国人向け総合メディアを運営するYOLO JAPAN(東京都港区)は12月25日、日本に住む外国人を対象に実施した労働環境に関する意識調査の結果を発表した。日本で仕事を探す際にハードルとなっていることは何か聞いたところ、最も多かった回答は「日本人と同等の日本語力を求められること」(68.8%)で、多くの日本人は外国人とのコミュニケーションに不安を抱えている現状がうかがえた。

photo 日本での就職で苦労しているところは?(=プレスリリースより)

 次いで「外国人が勤務可能な会社が少ない」(51.8%)、「日本語の履歴書・職務履歴書の用意が難しい」(47.4%)、「時間や面接時のマナーが難しい」(18.6%)、「海外よりも日本での経歴を重視される」(13.8%)――と続いた。

 回答者からは「外国人採用OKのアルバイトサイトを通じて応募した企業から『日本人のみ』と伝えられた」「応募条件に英語圏の国籍者のみ募集と記載があった。英語を話せるアジア人もいるのに差別的な印象を受けた」「宗教上スカーフを身に付ける必要があるが『それは日本の文化に適していないから』と何度も面接で不採用となった」といったエピソードが寄せられた。

photo 日本の職場での不満は?(=プレスリリースより)

 現在の職場に対する不安では「福利厚生がない」(28.4%)、「賃金に満足していない」(28.0%)、「(職場に)外国人が非常に少ない」(26.6%)、「日本語以外でコミュニケーションを取れるスタッフがいない」(23.1%)、「ビザのサポートをしてくれない」(22.3%)、「外国人だからという理由で平等に接してくれない」(20.5%)――などが上位に挙がった。

 「保険や年金のサポートがなく、貯金もできない」「休暇の申請をしづらい」「コミュニケーションが取りづらい」「調理の仕事をしたいが、英語で教えてくれるスタッフがおらず、自分も日本語が上手ではないので担当できない」など、言葉の壁に苦労しているとの声が多く集まった。

 同社は「職場の英語力向上や外国人スタッフへの日本語教育に取り組むことで言葉のハードルを下げることも重要だが、日本人も外国人と積極的にコミュニケーションを取る姿勢を持ち続けることが何より重要だ」とコメントしている。

日本の職場のいいところは?

 1位には「スタッフがとても親切に教えてくれる」(55.0%)がランクイン。その他には「日本語以外でコミュニケーションを取れるスタッフがいる」(45.4%)、「外国人も平等に接してくれる」(42.8%)、「外国人がたくさん働いている」(31.4%)、「努力や能力、スキルを評価してくれる」(30.6%)といったポイントが評価された。

photo 日本の職場のいいところは?(=プレスリリースより)

 「企業が社員のために企画するイベントはいいと思う」「マネージャーが親切で、仕事以外の相談も聞いてくれる」「飲み会などにも誘ってくれる」「勤務中であっても宗教的な活動などをさせてくれる」と、コミュニケーションや多様性を大切にする姿勢に満足する回答者が多かった。

 調査は12月14〜24日にかけて、日本在住で就労ビザを保有する外国人200人を対象にインターネット上で実施した。

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