外資系人材紹介会社のヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンはこのほど、世界33カ国を対象としたハイスキル労働市場に関する調査結果を発表した。日本は人材不足を示す「人材ミスマッチ」項目で10ポイント(10段階評価)を獲得し、33カ国中「最悪」であることが分かった。
2017年調査時には9.9ポイント、16年調査時には9.8ポイントだったことを踏まえると、日本におけるハイスキル人材不足が年々深刻化している実態もうかがえる。
最も人材不足が深刻なIT業界や自動車業界では、企業が求めるスキルを満たしたAI(人工知能)技術者やデータサイエンティスト、IoT(モノのインターネット)技術者などが不足した状況が続いているという。
同社は「急速な技術の進化に日本の人材のスキルが追いついていない。その背景には日本の高等教育や終身雇用制度における評価制度などの根深い問題がある」と分析する。
また、同社でマネージングディレクターを務めるマーク・バレイジ氏は、日本の失業率が著しく低い点について、パートタイムとして働く女性や学生・研修生が多くを占める外国人労働者が労働参加率を押し上げていると指摘。だが、これらの人材が必ずしもハイスキル人材不足を解決するわけではないという。
バレイジ氏は「ハイスキル人材不足に対しては、退職年齢の引き上げや請負業者の活用、スキルの高い移民を対象とした移住制限緩和などが考えられる」とコメントしている。
調査は同社と英調査会社オックスフォード・エコノミクスと共同で実施。評価項目は専門性の高い職業における「教育の柔軟性」「労働市場への参加」「労働市場の柔軟性」「人材のミスマッチ」「全体的な賃金圧力」「専門性の高い業界における賃金圧力」「専門性の高い職業における賃金圧力」の7項目。対象国は日本、米国、カナダ、中国、香港、シンガポール、インド、英国、ドイツ、フランス――などの33カ国。
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