インタビュー
» 2018年12月26日 08時32分 公開

マツコが絶賛した予約殺到の「できたてポテトチップ」! “神がかったうまさ”の舞台裏に迫る中小企業が大企業に勝つ方法(5/6 ページ)

[中西享ITmedia]

後継者問題

 出来上がった商品をダンボール箱に詰める作業は、なぜか人手に頼っていた。岩井社長に「どうして自動化しないのか」と尋ねると、「いま29の違う商品をパッケージしているので、これを機械でやるとものすごいコストがかかる。だから人手の方が勝っている」と説明する。自動車の製造ラインでいうところの「混流ライン」の流れだった。

 現在社員は男性7人、女性24人だが、社員の定着率は高く、辞めないという。この数年、省力化のための機械設備も積極的に導入したことで、作業の負担も減ってきているのだ。また、狭かった更衣室を広くするなど、福利厚生面も改善してきた。

 困っている点は、近くに製造設備のちょっとした不備を修理してくれる鉄工所がないことだという。父親の代のころは近所に鉄工所があったそうだが、いまはないため、設備が故障したりすると修理に時間がかかる。最悪の場合は、部品が古くなってしまい、代わりの部品が製造中止になっているケースもある。かといって設備を丸ごと買い替えると「5億円はかかる」(岩井社長)という状況のため膨大な資金が必要となり、とても中小企業には不可能なのだ。

 同社の将来の経営にとって課題となりつつあるのが、誰が岩井社長の後を継ぐかだ。息子はいるが、現在、大手製薬会社で働いているという。岩井社長は「私は『会社を継がなければいけない』という強い使命感を持っていたため、苦悩した時間が長くあった。だから、息子には後継ぎ問題では悩んでほしくない。将来どうするかは本人が決めることだ」と話し、後継ぎを押し付けたくはないと考えている。やはり中小企業にとって、後継者を誰にするかというのは深刻な問題だ。(終わり)

phot 商品をダンボール箱に詰める作業は人手に頼っている。「淡々とやっているように見えて、実は非常に熟練した技術を要求される難しい作業なんです」(岩井社長)
phot 省力化のための機械設備も積極的に導入した
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phot 社員のための休憩室なども整備し福利厚生面もよくした
phot 「息子には後継ぎ問題では悩んでほしくない」と語る岩井社長

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