経済産業省が公表している業種ごとの季節調整スペックによれば、鉱工業生産指数は曜日、祝日調整が行われているが、うるう年調整は行われてない(※3)。第3次産業活動指数(直接調整法)(※4)は、曜日、祝日、うるう年調整がいずれも行われているが、その内訳をみると、情報通信業、物品賃貸業は曜日、うるう年、祝日調整がいずれも行われておらず、卸売業、事業者向け関連サービス、小売業は祝日調整が行われていない。建設業活動指数は曜日、うるう年、祝日調整がいずれも行われていない(図表1)。
経済産業省は業種ごとの季節調整のスペック、総合季節指数を公表しているが、総合季節指数の内訳(曜日、祝日、うるう年指数)は公表されていない。そこで、業種ごとのスペックを用いて、総合季節指数の内訳を求めた上で、祝日の変動が経済活動の水準にどのような影響があるのかを検証した。
具体的な手順は以下の通りである。
季節指数計算の対象年月(8年間)について、各年におけるそれぞれの月の平日(月曜日から金曜日)が祝日になる日数(A)を数え、次に1月から12月それぞれにおける8年間の祝日の平均値(B)を求めた後、各年におけるそれぞれの月の祝日日数(A)から平均値(B)を差し引いた値を祝日変数とする。この値をX-12-ARIMAに与えることにより、祝日パラメーターを算出する。
対象年月は、鉱工業生産などで実際に季節調整を行う際に用いられている2010年から2017年までの8年間である。
祝日指数=(1+祝日パラメーター)となる。祝日パラメーターは祝日数が平均よりも1日増えた場合の生産量の増減率を表す。祝日数が多くなると生産量が増える業種では祝日パラメーターがプラスとなる。
※3 2010年基準までは鉱工業生産指数でもうるう年調整が行われていた。
※4 第3次産業活動指数(総合)の季節調整済指数は、大分類11業種の季節調整済指数を加重平均して第3次産業総合を作成する「間接調整法」がメインの公表系列となっており、第3次産業総合の原指数に季節調整を施す「直接調整法」は参考系列である。
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