GWが10連休になったことにより、4月は1日、5月は2日祝日が増えることとなった。今回の検証に基づけば、4月30日〜5月1日が平日だった場合と比べると、鉱工業生産は4月に▲0.95%、5月に▲1.90%、第3次産業活動指数は4月に▲0.34%、5月に▲0.67%、全産業活動指数は4月に▲0.41%、5月に▲0.81%押し下げられる(図表3)。
全産業活動指数は、全産業の生産活動の動きを供給面からとらえた指数で、「供給面からみたGDP」ともいわれる。祝日増に伴う2019年4、5月の全産業活動指数の落ち込みをGDPに換算すると、2019年4〜6月期の実質GDPは▲5267億円(▲0.4%)減少する。
景気判断を行う際に一般的に用いられる季節調整値は、こうした祝日要因は除かれるので、景気の基調を見る上で支障はない。また、経済データの基調的な動きは趨勢循環要因(TCt)によって決まる部分が大きい。
祝日要因による変動は一時的なものであるため、祝日数の増加によって景気が実勢として落ち込むことを心配する必要はない。ただし、一部でみられるような10連休による景気の押し上げ効果は旅行、宿泊、外食など一部の業種に限られ、経済全体としては祝日の増加がむしろマイナスに働く可能性が高いだろう。
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