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» 2019年01月21日 07時00分 公開

没入感が違う:「こんな接客は嫌だ」をリアルに体感 そごう・西武がVRのマナー教材を開発したワケ (2/4)

[昆清徳,ITmedia]

百貨店以外の事業とは?

 なぜ、社員研修事業に進出することにしたのだろうか。その疑問に答える前に、そごう・西武が展開している百貨店以外の事業について解説しよう。

 実は、そごう・西武は企業の総務担当者に向けた災害対策グッズの販売、プロモーションやキャンペーンで使うノベルティの提案、さまざまな記念品の販売といった法人向け事業を手掛けている。

 若尾氏によると、同業他社でも百貨店事業で培った記念品ビジネスを展開しているところはあるが、防災用品やセールスプロモーションといった幅広い法人向けビジネスを手掛けているのが同社の特徴なのだという。

 そごう・西武では営業担当者が、日々、顧客企業を訪問している。例えば、災害対策グッズを扱う担当者は特定の企業の商品を売り込むのではなく、各企業の実情に沿った最適なグッズを組み合わせて提案している。各企業によって、防災グッズを置けるスペースに違いがあったり、オフィスの立地によってニーズが異なったりするためだ。場合によっては、会社で実施する避難訓練の段取りについてもアドバイスをする。

なぜ社員教育事業を考えついたのか

 では、なぜ、社員教育事業に注目したのだろうか。若尾氏は複数の営業担当者から、社員教育に課題を抱えている企業が多いことを聞いていた。その声を踏まえ、調査を進めたところ、教育業界には接客マナー研修に対する大きなニーズがあることを確信したという。一口に社員教育といってもさまざまな種類があるが、百貨店の強みである接客サービスを生かす分野にビジネスチャンスがあると判断した。

 若尾氏は17年の秋頃から事業化に向けた検討を開始した。当初からVRを利用することを考えていたという。企業の社員に向けてマナー講師を派遣するようなビジネスは存在しているが、VRを使うことで「研修を受ける社員が会場まで出張しなくて済む」「自分の職場で都合のよいときにパパっと研修が受けられる」といった利点があるためだ。また、マナー講師が複数の社員に説明したり、研修用の映像を見せたりするようなタイプの研修では、どうしても途中で社員の集中力が切れてしまう場合もある。もし、VRの特徴である没入感を生かせるコンテンツを開発すれば、差別化できると考えた。

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