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1年前と比べて残業は増えた? 減った? ビジネスパーソン3000人に聞いた「働き方改革」の効果は……効果が実感できない人も

» 2019年01月21日 11時05分 公開
[ITmedia]

 「働き方改革」の重要性が叫ばれて久しいが、ビジネスパーソンの51.5%が「1年前から残業時間は変わっていない」と答えている――。人材会社パーソルキャリアの調査でこんな事実が分かった。1年前と比べて残業が減った人は26.3%で、残業が増えた人は17.4%存在した。

 ただパーソルキャリアは「全体としては『変わらない』という人が過半数を占めているが、『増えた』よりも『減った』と答えた人のほうが多い。少しずつではあるが働き方改革の成果が表れているのかもしれない」と前向きな見解を示している。

photo 1年前と比べた残業時間の変動(=パーソルキャリア調べ)

 残業時間が減った層に理由を聞いたところ、最多だったのは「会社の制度変更」(37.7%)。中でも、金融、IT・通信、メーカー、商社、旅行などの業種に制度を改革する企業が多かった。各社では、残業時間を減らした人や有給休暇を取得した人にインセンティブを与えて「残業代で稼ぐ」という社員の意識を変えた例や、AI(人工知能)を導入して業務を簡易にした例などみられた。

 その他の理由は「仕事が減った」(28.8%)、「業務の手順が変わった」(17.6%)、「異動や担当の変更」(16.4%)、「人が増えた」(8.9%)など。回答者からは「サービス残業がなくなった」「残業や休日出勤が減り、時間的に余裕ができた」「残業が多い人への管理・指導がしっかりしてきた」などの意見が出た。

photo 1年前と比べて残業時間が減った要因(=パーソルキャリア調べ)

 一方、残業時間が増えた層の63.2%が、その要因を「仕事が増えた」と回答。「人が減った」(32.4%)、「異動・担当変更」(19.2%)、「業務の手順の変更」(16.3%)、「会社の制度変更」(8.6%)などの声もあった。

 回答者からは「繁忙期の人員不足などにより、自分を含む一部のスタッフに残業のしわ寄せが発生している」「働き方改革もあって残業を減らせといわれるが、結局は朝早く出勤したり、昼休みを短縮したりしている。改革になっていない」などの体験談があった。

photo 1年前と比べて残業時間が増えた要因(=パーソルキャリア調べ)

 パーソルキャリアは「働き方改革が言葉だけのものになっていて、現場の社員がその効果を実感できていないというケースも少なくないようだ」と指摘している。

 調査は2018年6月、20〜59歳の男女を中心にインターネット上で実施。3000件の有効回答を得た。

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