“片づけ”でアメリカンドリームをつかんだ「こんまり」と、ピコ太郎の共通点世界を読み解くニュース・サロン(4/5 ページ)

» 2019年01月24日 07時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

米国で成功した“重要なきっかけ”

 ただ独自の理論を主張して名前が幅広く知られるようになると、批判的な意見が出てくるのも避けられない。

 米ワシントン・ポスト紙は「本も捨ててしまおう」とアドバイスした近藤氏に対して、ネット上で反発が起きていると報じている。また米国でも数少ない片づけ協会の一つ、全米プロ片づけ協会(NAPO)のメンバーらは近藤氏に辛辣(しんらつ)で、ニューヨーク・タイムズ紙に「どうせ20代そこそこの日本人少女で、実家暮らしで、キティちゃんのおもちゃとかグッズを大量に持っているような子のための本でしょ」と話す人もいると紹介。さらに、「NAPOの女性たちにとっては近藤のメソッドはあまりに厳格で、そんな近藤の世界には生きていられない。仕事もあれば子供もいる」とも指摘している。

 また日本在住の外国人ライターの記事では、「日本と海外で近藤に対する反応の特筆すべき違いは、日本ではほとんど誰も相手にしていないこと。メディアではちょっとしか取り上げられていないし、オンラインでもあまり話題になっていない。多くの日本人は宣伝文句にだまされていないようだ」とし、日本人女性がNetflixで彼女を見ると「うざい」と言っているとも紹介している。

 それでも、1月からは冠番組を始め、制作会社によれば、視聴者からの評判も上々だという。これからさらに知名度も上がっていくだろう。

photo Netflixで配信されている「KonMari 〜人生がときめく片づけの魔法〜」(出典:Netflix

 そんな近藤氏がここまで米国で上り詰め、成功を手にするまでには、ある重要なきっかけがあった。

 それは米TIME誌の15年版「最も影響力のある100人」に選ばれたことだ。ただそこに選ばれたのには、ある大物ハリウッド女優からの推薦があった。ジェイミー・リー・カーティスである。映画『大逆転』(1983年)、『マイ・ガール』(91年)、『ハロウィン』シリーズなどで知られている有名女優だが、最近はブロガーとしてニュースサイトに寄稿もしている。

 この推薦がターニングポイントとなって、一気に知名度が「スパーク」したといえる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.