しかし、いくら売れ行きが好調でも、商品が進化しないと人気はいつか鈍化する。これからも安定して売れるようにするには、新しさをプラスすることが望まれた。発売1年目の好調さの裏で、2年目に向けた新たな取り組みをスタートさせることにした。
注目したのはプレート。種類を増やすことにした。
新しいプレートを検討する中で着目したのが、焼きおにぎりであった。榑林氏は、焼きおにぎりに着目した理由を次のように話す。
「最近はスーパーやコンビニで焼きおにぎりの冷凍食品がよく売られていて、居酒屋でも〆のメニューとして用意しているところが少なくありません。注目度は高いのですが、自分でつくるとなると、途中で崩れてしまうなど意外と難しいところがあります。難しいけど注目度が高いことから、簡単につくれるようなプレートを開発することにしました」
焼きおにぎりは軽く握ってからプレートにセットし、後は電源を入れて待つだけ。ご飯を握ることなくプレートにセットし電源を入れれば、羽根つきの焼きおにぎりが完成する。
また、ドーナツ用プレートとたい焼き用プレートについては、どちらも家庭でつくるには面倒だが、楽しみながら手づくりでヘルシーなおやつがつくれる点にニーズがあると判断し開発した。
ドーナツやたい焼き用のプレートは過去に開発経験があったことから、ノウハウを生かすことができた。しかし、焼きおにぎり用プレートは初めて。シンプルな形だが、榑林氏は「最初はきちんと焼けるかどうか気になった」と当時の心境を明かす。結局、心配は杞憂(きゆう)に終わり、焼きおにぎりは問題なくできた。
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