インタビュー
» 2019年01月30日 08時00分 公開

本の販売は苦戦しているのに、入場料1500円の書店が好調なワケ水曜インタビュー劇場(入場制限公演)(5/6 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

本をどのように見せるかが大切

土肥: 入場料について話を聞かせてください。なぜ1500円に設定したのでしょうか?

武田: 感覚です(笑)。500円だと手軽すぎるし、1000円でもまだ物足りない。ビジネス的な視点というよりも、心のハードルを重視しました。簡単に入店していだけるのはうれしいのですが、1500円にすれば、なにか超えられないハードルを設定できるのではないかと考えました。

「文喫」プロジェクトのリーダーを務める、日販の武田健悟さん

土肥: 1500円に設定すれば、本との出会いを楽しめる人が集まるかも、という話ですね。ただ、ネット上には「1500円を支払ったけれど、満足した」という意見もあれば、「1500円は高いよ〜」という声もある。

武田: さまざまな意見があって、ありがたいなあと感じています。それだけいろいろな使われ方をしているのではないでしょうか。「自分はこのように使った」「このような本と出会った」「入場料を払うことに違和感があった」といった声が出てくるのはうれしい。話題にならないより、話題になるほうがいいですよね。

武田さんはタイトルと表紙に引かれて、文喫でこの本を購入したという

土肥: 最後の質問です。一般的な書店の場合、取次を通して本を仕入れている。売れ残った場合、取次に返品することができるわけですが、文喫は違う。店内に並んでいる本(雑誌を除く)は、すべて出版社から買い取っているそうで。そうなると売れ残った本は、ずーっと棚に並ぶことになりますよね。結果、リピーターは「まだこの本は売れていないのか」「目新しい本がない」と感じるようになるのでは?

武田: 1年経っても、2年経っても売れない本はどうすればいいのか。3年経ったときに「3年間売れなかった本」といったタイトルで、お客さんに見せることができるかもしれません。そのようなPOPが書かれていたら、どう感じますか?

土肥: 「え、なにそれ?」と思う。

武田: そのように感じてもらうことが大切なのかなあと。店内のデザインを工夫したり、本の見せ方を変えたり、企画を考えたり。このような取り組みをすることで、一般的な書店さんではなかなかスポットが当たらなかった本でも、ここでは売れることが分かってきました。これからも、このことを“証明”し続けたいですね。

(おわり)

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