インタビュー
» 2019年01月30日 08時00分 公開

本の販売は苦戦しているのに、入場料1500円の書店が好調なワケ水曜インタビュー劇場(入場制限公演)(4/6 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

「文喫」の役割

土肥: どういったジャンルの本が売れているのでしょうか?

武田: 日本文学のほかに、ビジネス、アート、食に関する本がよく売れていますね。六本木という立地の影響もあって、珍しいタイトルや大学の専門書などもよく動いています。

土肥: 一般の書店では扱っていないような本が売れている?

武田: 希少本は扱っていなくて、普通に仕入れることができる本しか扱っていません。では、なぜ書店であまり目にすることがない本が売れているのか。あくまで推測ですが、入場料を支払っているので、お客さんのモチベーションに変化が出ているのかもしれません。普段であれば目にとまらない本を見つけることができたり、背表紙のデザインが気にいったり。

土肥: それにしても1タイトル1冊って、悩ましく感じることもあるのでは? 芥川賞を受賞した本や人気作家の新刊であれば、何冊も平積みにしていれば、たくさん売れるはず。しかし、1タイトル1冊というルールなので、それはできない。

雑誌は約90タイトル用意している

武田: ご指摘の通り、商売という視点で見れば、人気のある本は10冊ほど置きたい。実際、置けば売れるでしょう。でも、しません。なぜか。冒頭でお話ししたように、コンセプトが「本と出会うための本屋」だから。人気があるから、売れるから、といった理由で、そのような本を並べていたらコンセプトからズレてしまう。

 あと、入場料を支払ってまで店内に入ったのに、一般的な書店と同じような本ばかり並んでいたら、お客さんはどのように感じるのか。同じような本を手にできるのであれば、わざわざ入場料を支払う必要はありませんよね。

土肥: 平日の昼間でも、たくさんのお客さんが入っていますが、休日はどうなっているのでしょうか?

武田: 週末は入場制限することも。店内は90席しかないので、90人が入店すれば制限をかけることに。誰かが出れば、誰かが入れる仕組みなので、いつ入店できるかは分かりません。3〜5時間ほど利用される人が多いので、回転率はよくない。ただ、それはありがたい話でもあるんですよね。長ければ長いほど、それだけじっくり楽しんでいると思われるので。

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