――トップの思いやビジョンを現場のメンバーに伝える、つまり「翻訳する」という仕事に悩むマネジャー職の人も多くいると思います。どのような部分に問題があると思いますか。
そもそも翻訳がうまくいかないっていう人は、トップが発したメッセージの「原文の本質」を理解していないのだと思います。
翻訳するためには、まず「原文の本質」を正確に理解する必要があります。そこの理解が誤っている場合、翻訳自体を誤ることになります。この本質の理解につまずいている中間管理職の人が多いんじゃないでしょうか。上の人が言った通りの直訳は、まるで借り物の言葉のようで説得力に欠けますし、そもそも上の人とのコミュニケーションを避けてしまっている人はそういうミスをしてしまいがちな様な気がします。。
ちなみに、僕は前澤の言っていることが腹落ちしないときは、「言いたいことって、つまりこういうことですか?」と、率直に直接聞くようにしています。
特に最近はメールでのやり取りが増えているので、内容を履き違えるのが嫌なんです。その認識を合わせようとすることに対して、前澤もそうですが、上司が嫌がることなんてありませんよ。「それはこういうことだよ」と、ちゃんと答えてくれます。
――トップが発したメッセージの原文の本質をまずは理解する必要があると。その上で現場のメンバーにトップのメッセージを浸透させるために、西巻さんご自身はどのような対話を心掛けていますか?
例えば、社名変更のタイミングで、前澤が「楽しく働く」というメッセージを出したのですが、あれは、「スタッフに楽しく働いてもらうことを前澤は今求めている」ということです。でも「楽しく働く」って、現場の社員にただ伝えるだけではなく、腹落ちさせないといけません。
トップの意向をそのまま直訳するマネジャーなら誰でもできるし、サイトを見たらそのまま掲載されてますからね。マネジャーは、原文の本質を理解した上で「直訳」ではなく「編集」する力が必要だと思います。原文に込められた本当のテーマを、自分の理解で伝えていくことが大切ではないでしょうか。
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