イノベーションが叫ばれ、とにかく新しいものを生み出すことが求められる時代。過去の成功や上司の言うことにただ従っているだけでは新しいものは生まれません。革新には挑戦が不可欠で、挑戦には失敗がつきもの。企業や組織にはこれまで以上に失敗を許容できる文化や仕組みが必要になるでしょう。
けれども、いくら「失敗はつきもの」と言っても、すべての人が等しく再起を許され、新たなチャンスをものにできるわけではありません。失敗しても許され、再起できる人とそうでない人の違いはどこにあるのでしょうか。
「タップル誕生」はサイバーエージェントの100%子会社・マッチングエージェントが手掛ける、趣味を起点に男女をつなぐマッチングアプリです。2014年5月のリリース以降順調にサービスを伸ばし、現在では国内シェアナンバーワン。
実は、代表の合田武広さんにとって、これは「再起戦」です。過去に手掛けた2つのサービスがクローズに追い込まれ、「会社を1つつぶした」経験を持っています。
挑戦し、失敗し、許され、再起する――。合田さんへのインタビューから、そんな「許され力」の正体を探ります。
――「許され力」と聞いてどんな印象ですか?
大赤字を出して、会社を1社つぶしても、今またこうしてもう一度チャンスをもらえている。とりあえずやってしまって、何か起きた後で「すみません」というのは他にもたくさん経験があるので、割と許してもらってきた方なのかなと思います。
――合田さんは入社の経緯からしてかなり異色ですよね。
僕は大学院時代にサイバーエージェントのインターンをしたことで、ものづくりが好きになり、当初はそのままエンジニアとして入社するつもりで、内定ももらいました。けれども、内定者仲間でビジネスコンテストに出たら、たまたま優勝できたのです。副賞として米国・シリコンバレー行きのチケットをもらい、行った先でもコンテストに出たらまた優勝。もう完全にてんぐになって、勝手に会社を創ってしまったのです。
――当時はかなりイケイケだった?
イケイケでしたね。内定辞退しようか、世界だって獲れるんじゃないかと思っていました。ところが、いざ事業が走り出してみるとうまくいかず、すぐに資金繰りも大変になりました。
どうしたものかと悩んでいたタイミングで代表の藤田(晋)に声を掛けてもらいました。子会社化してもらい、サイバーエージェントとしても異例のことで、通常の新卒入社より3カ月早い2012年1月に入社。即、自分の会社に出向しました。ところが、結局この会社は1年半くらいで倒産することになりました。
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