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会社をつぶし、手掛けた2つのサービスが終了 それでもチャンスをもらえる「許され力」の正体とは?失敗からの再起(2/6 ページ)

» 2018年10月09日 06時45分 公開
[鈴木陸夫ITmedia]

――何が失敗だったのですか?

 ひとことで言うなら早すぎたんだと思います。

 僕らが最初に手掛けたのはFacebookのソーシャルグラフを使った「Facematch」というマッチングアプリ(後に「Pitapat」に名称変更)だったんですけど、そこには「友達の友達だから絶対安心だよね」というのがベースにありました。でも、実際にリリースしてみると、当時は「そもそもFacebookを使ってない」とか、「Facebook認証で情報を抜き取られるんじゃないの?」という反応が大半で。

 当時の僕は、世の中にまだないもので、なおかつ皆が面白いと思えるものを作りさえすれば絶対流行るという考えだったんです。でもそれって、実はすごくコンテストっぽい考え方なんですよね。コンテストであれば斬新さとか、「すごい技術だ」みたいなものは評価されますけど、一般ユーザーは必ずしも新しいものを求めているわけではない。

――確かにそうですね。

 僕らは最初から世界を獲りたいと思って海外の市場を見ていました。海外ではFacebookがすでに当たり前で、Facebook連携のオンラインマッチングはすでにあったから、そのさらに先と考えたのです。でも、それがそのまま日本市場に当てはまるわけではなかった。

 そういうことを分かっている人は周りにもいたと思うんです。でも、当時の僕はかなりのビッグマウスで、「天下を獲ってやる」くらいの感じでやっていたので、謙虚さがなくて。人の話に耳を傾けることをせずに会社もサービスも勝手に作って、結果失敗してしまった。そこは後になってすごく反省しました。

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