お店のミライ

駅ナカで売れる“三種の神器”に変化 商機を見いだす“ローソンの野望”日本最小級のコンビニ続々(3/4 ページ)

» 2019年02月20日 06時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

売り上げだけではない本当の狙い

 垣内氏は今後も鉄道事業者との思惑が一致すれば、駅ナカへの出店を今後も増やしていきたいという。しかも、駅ナカに進出する狙いは単なる目先の売り上げ増ではないと説明する。

 今後、少子高齢化や都市部への人口集中により、車の所有者は減り続けるとみられている。すると、鉄道やバスといった公共交通機関を利用するお客が増えることになる。

 お客の“動線上”にローソンの店舗をつくることには、さまざまなメリットがある。例えば、「ローソン」の看板を目にする機会が増えることで、ブランドに対する認知度が向上する。さらに、駅ナカ店舗でローソンの新商品を目にしたり、購入したりすることで、別の店舗での購買につなげられる。新たなサービスを提供したり告知したりする場になりうるのだ。

 新たなサービス拠点をつくる狙いもある。コンビニは単なる商品を売る場ではなく、公共料金の支払いやコンサートチケットの販売といったように、さまざまなサービスを提供する場に変わりつつある。例えば、ローソンでは、生鮮スーパーの食材をアプリで朝に注文して、夕方に店舗で受け取れる「ローソンフレッシュピック」というサービスを展開している。現在はスペースの制約があるため駅ナカ店舗は物販中心となっているが、今後、注文した食材を駅で受け取ることも可能になる。今のうちに駅ナカという場を押さえておけば、新サービスを展開する際、鉄道事業者と優先的に交渉ができるというわけだ。

 このように、ローソンは着々と駅ナカ店舗を展開することで、将来への布石を打っているのだ。

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