セールスハブでは「サポーター」と呼ばれる個人が営業担当として登録する。サービスを導入した企業は、売り込み先を紹介してほしい商品やサービスについて、システム上でサポーターに募集をかける。応募したサポーターは商材を自分の知人のいる企業に紹介し、アポが成立すれば数万円程度の報酬をもらう。運営側は仲介手数料を取る仕組みで、募集可能な商材は一般消費者でなく業務向けのみに絞った。
リリース直後は登録したサポーターがなかなか紹介案件に応募してくれないトラブルもあったが、現在は延べ約1400社が営業に活用し、約1万1000人がサポーターとして登録している。サポーターの多くは30代男性で、ちょうど副業解禁の機運の高まりもあり、本業の傍ら手軽にできる業務として受けたとみられる。
また、江田さんは「応募が殺到するかどうかは、紹介料の多寡よりもサポーターが共感しやすい商材かどうかが左右しているようだ」とみる。例えばワーキングマザー特化型の人材紹介会社やフードロスに取り組むベンチャーなど、社会貢献系の企業のサービスには熱心なサポーターが飛びつくという。サポーター側が内容に共感したり先進性を感じるなどして、知人のいる企業に自発的に紹介したくなるかどうかが人気のポイントとみられる。
ただ、どうしても付きまとうのが、いわゆるマルチ商法のように「人間関係をお金に換えている」という批判だ。江田さんも「サービスを評価される一方で、『人脈をお金に換えるのはけしからん』ともよく言われる。(口コミで販売する人間を連鎖的に増やしていく)ネットワークビジネスのようなサービスになってしまうのが最悪」と認める。
同社では、ネットワークビジネスで売られがちな一般消費者向けの商材は一切扱わないようにしているほか、「税金の回避方法を教える情報商材」といった危なそうな募集は排除しているという。
実際にサポーターとして活動するビジネスマンからは賛否の意見が寄せられている。菅原武志さん(45)は東京のベンチャー支援を手掛ける企業に勤める傍ら、自分でも知人と会社を経営している。ベンチャー企業で働いたり起業を手掛ける中で、約20年間営業に従事してきた。
Saleshubには18年夏に登録し、今まで約30件の案件を過去の営業を通じて知り合った企業に紹介してきた。「ニッチでエッジが効いている商材や、特に自分の本業に結び付く物を選んで紹介するようにしている」(菅原さん)。Saleshub上での紹介が本業の会社での営業活動とつながることもあり、シナジー効果を感じているという。
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