コラム
» 2019年02月26日 07時35分 公開

「行動」ではなく「意味」を教える:リッツ・カールトンに学ぶ バカッター対策としての水際作戦 (2/3)

[中嶋よしふみ,ITmedia]

あなたの好きなものは何ですか?

 まずは「あなたの好きなものは何ですか?」と聞く。

 例えばサッカーという答えなら、サッカーボールに唾を吐きかける人を見たらどう思うか聞けばいい。乃木坂46が好きならば、CDを目の前で踏みつけられて粉々に割られたらどう思うか尋ねればいい。

 自身の大切なものが粗末に扱われて何とも思わない人はいない。それくらいの話は高校生でも理解できる。

 日本人は食べ物を大切にするので食べ物を粗末にする人を特に嫌い、許さない傾向が強い。皆さんも子どものころから食べ物を大切にするように親や先生に注意されてきたはず、それは老若男女、皆同じで心の奥の奥まで刷り込まれている、と伝える。

 その上で以下のように伝えれば良い。

 「我々はすし屋です。食べ物を扱っています。お店にあるモノは椅子もテーブルも食器も全部大切ですが、特に大切にすべきものは食材です。衛生管理という意味はもちろん、食材を粗末に扱うことは、せっかく来店していただくお客様も大切にしていない、粗末に扱っているとみなされてしまいます」

 ここまで話しても、初めて働くような高校生や大学生ならば理解できない人も多数いるだろう。時間がたって騒動が風化すれば尚更だ。繰り返すがアルバイトでお小遣いを稼ごうと考えている若いアルバイトに経営者と同じ感覚を持たせるのは無理な話だ。

 そうであれば、重ねて以下のように伝えればいい。

 「あなたが大切にしていることを、他の人は同じように大切に思わないかもしれないし、他の人が大切にしていることをあなたも理解できないかもしれない。それは仕方ないことです。ただ、理解できないことは誰かの大切なものを粗末に扱って良い理由にはなりません。自身の大切なものを粗末に扱われて平気な人もいません。だからあなたがウチのお店で働くなら、ウチのお店が大切にしていることを理解できなくても良いので、理解する努力はしてください」

(写真提供:ゲッティイメージズ)

 アルバイトに経営者視点を持たせるのは無理でも、経営者が何を大切に考えているか、知ってもらうことくらいはできるはずだ。

 このような対応をするとどうなるか。バイトテロを無意識にやってしまうような人は、面倒くさいお店だと考えて働く前に逃げ出してしまう。つまり「水際作戦」だ。実際、そのような水際作戦を実施している有名な企業がある。

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