一方で、こんな声もある。ファーウェイ自身が、同社製品には何ら怪しいことはないと証明すべきではないか、と。
例えば、16年に韓国サムスン電子製スマホである「Galaxy Note 7」が火を噴いた事件を覚えているだろうか。当時サムスンは、その大打撃から挽回するために、客観的に調査を行う外部の専門家を雇い、徹底した内部調査を開始。その結果を広く公表することで、自社製品の安全性を訴えた。さらに、欧米などのさまざまなメディアをバッテリー工場に招き、取材もさせた。そうすることで、安全性と再発防止に向けた意思を対外的にアピールした。
ファーウェイも本部で開催する記者会見にメディアを呼ぶだけでなく、きちんと情報を開示するなどして「後ろめたいことはない」ということをアピールすべきではないだろうか。
既出の元情報関係者がこんなことも筆者に言っていた。「通信機器を販売する米シスコも、機器にスパイ工作用のチップが埋め込まれているという疑惑が出たことがあったが、シスコ側は、消費者にシスコ製品を購入して徹底的に調べてほしいと訴えた。しかも調べるために購入した代金は、シスコが負担するとまで言った。ファーウェイもここまでコケにされたら、口だけでなく、疑いを晴らすべく行動すべきだ」
こうしたさまざまな議論が交わされている中、トランプ大統領がまた予想外の動きを見せているとして話題になっている。トランプは、ファーウェイ排除について「見直し」を示唆しているとも報じられている。協議中である米中の貿易交渉を意識してのことだ。
この話を聞いてまず思うのは、そもそも、米国がファーウェイを排除することは何ら「異常なこと」ではないということだ。というのも、中国政府も米IT大手のFacebookやTwitterなどを利用できないようにして米大手企業を実質的に中国市場から排除している。ファーウェイ排除も、要はお互いさまなのである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング