厚生労働省はこのほど、労働基準関係法違反の疑いで送検された企業のリストを更新した。1月までの分として53社を追加した一方、厚労省が「掲載の必要性がなくなった」と判断した企業を削除したため、掲載企業は413社となった。
過労死ゼロを目指す取り組みの一環で、17年5月にWebサイト上に初公開。公表から1年がたったため現在は削除されているが、当初は電通本社やパナソニックなどの大企業が名を連ねる“ブラック企業リスト”として話題を呼んだ。
今回の更新では、ビルメンテナンス事業者の三愛ビルサービス(宇都宮市)が追加された。同社は温泉貯蔵層の内部を十分に換気しないまま、労働者を温泉水の除去作業に従事させていた。
労務関連情報の専門紙「労働新聞」の報道によると、貯蔵層に入った作業員2人が硫化水素ガス中毒になって意識を失ったほか、上部から風を送り込む作業をしていた作業員1人も気分を悪くしたという。3人は救急隊に救助され、回復のために3〜10日の療養を余儀なくされたとしている。
また、カルビー子会社で、ポテトチップスの原料用ジャガイモの品種開発などを手掛けるカルビーポテト(北海道帯広市)もリスト入りした。
企業がフォークリフトを用いて作業する際、豊富な知識・経験を持ち、作業計画に基づいて現場を指揮できる「作業指揮者」を配置する必要があると労働安全衛生法で定められているが、同社はこれを怠っていた。
大規模な賃金未払いが発覚してリスト入りする企業も多く、マンション修繕などを手掛ける新日本リフォーム(徳島県板野郡)は、労働者36人に対して3カ月分の定期賃金計1757万円を支払っていなかった。生どら焼きなどを販売する菓子メーカーの笛木製菓(群馬県利根)は、労働者7人に対して8カ月分の定期賃金計846万円が未払いだった。
厚労省“ブラック企業リスト”更新 労働者の「二重派遣」で中間搾取した企業など追加
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