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» 2019年03月05日 05時00分 公開

強さを数字で読み解く:女子向けワイン酒場「ディプント」をヒットさせたプロントの“緻密な戦略” (2/5)

[三ツ井創太郎,ITmedia]

女性客を攻略するカギ

 「ディプント」は最初から現在の業態であったかというとそうではありません。オープン当初はハイボールを中心としたメニューで展開していましたが、ワインを中心としたメニューに戦略的に転換したことで、右肩上がりに売り上げを伸ばしていきました。

 ディプントは女性客をメインターゲットにしています。そして「女性客にとっていかに使い勝手が良いお店にするか」ということを業態&メニュー戦略の軸にしています。

 一般的に、男性客はお店の「機能性」を重視するのに対して、女性客は「情緒感」です。そのため、ディプントは店内のインテリアやメニューなど、全ての面において女性目線で業態を作り込んでいます。実際に店内を見てみると装飾品などを含めてオシャレな内装になっています。こうした戦略により、現状の女性客の割合は70%を超えています。メニュー戦略にも女性に圧倒的に支持される秘密が隠されています。「カフェ以上、ワインバー未満のカジュアルなワイン酒場」という戦略がどのようにメニューに反映されているのか、プロントと比較しながら見ていきます。

女性客に支持されるフードカテゴリー

photo 各種資料をもとに筆者作成

 プロントとディプントのメニューアイテムのカテゴリー構成比を比較したのがこのグラフになります。これを見ると「チーズメニュー」にかなり力を入れていることが分かります。実際にアイテム数を見ていくと、プロントのチーズ系メニューが1アイテムなのに対して、ディプントには11種類ものチーズを使ったメニューが存在しています。また、お肉を使ったメイン料理に関しても、プロントが2アイテムであるのに対して2倍以上の5アイテムを用意することで、カジュアルにディナーを楽しめるお店としてのポジションを打ち出しています。

photo 各種資料をもとに筆者作成

 ドリンクメニューに関しても両店の戦略は大きく違います。プロントがカクテルやウイスキーを主体としたバー業態であるに対して、ディプントはグラスワイン、ボトルワイン、サングリアといったワイン系メニューの構成比が圧倒的に高い商品構成となっています。

 一般的に飲食店の利用客は同一カテゴリーの商品が30アイテム以上あると、そのお店を「専門店」として認識する傾向がありますが、ディプントのワイン系アイテムは50アイテムを超えており、このアイテム数が「ワイン酒場」としての専門性を強める要素になっています。

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