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» 2019年03月06日 05時00分 公開

「65歳以上の社員募集」「未経験可」――パソナが“仰天採用”に込めた狙いとはポスト平成の採用戦略(3/3 ページ)

[濱口翔太郎,ITmedia]
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いずれは日本という国の“人事部”に

 パソナは今後もエルダーシャイン制度を継続し、“定年後の新人”を定期的に採用していく予定。ゆくゆくは、定年後人材を活用したい外部企業に適切なシニアを紹介し、雇用における需給のミスマッチを解消するビジネスの開始も視野に入れている。

 「まずは当社がシニアの受け入れ先になり、彼・彼女らが活躍できることを提示する。その上で、いずれは日本という国の“人事部”として、意欲の高いシニアと企業をつなげていきたい」と南部代表は意気込む。

 「鉄道会社からソフトウェア制作会社に移ったり、小売店から金融機関に転身したりするシニアがいてもいいじゃないか。今回の制度はむちゃな取り組みに見えるかもしれないが、『働きたいけど働けない』と悩むシニアがいる社会を変えるための“キックオフ”を意味する」(南部代表)

シニア登用は“ポスト平成のスタンダード”になるか

 5月に控える改元で「平成」が終わり、新たな時代が始まる。だが、今後も少子高齢化や人口減少が進んで労働力不足が顕著になることが確実視されており、ビジネス界の先行きは暗い。

 総務省の調査によると、生産年齢人口(15〜64歳)は1995年をピークに減少に転じ、いまも減少の一途をたどっている。同省によると、2015年現在の生産年齢人口は7592万人で、30年には7000万人、40年には6000万人、55年には5000万人を割り込む見込みという。

 こうした状況下で企業が競争力を維持する上では、シニアの活用が不可欠なのは自明だ。そもそも、“生産年齢”の定義が現在のままである保証もない。

photo 生産年齢人口の今後の予測(=総務省調べ)

 あらゆる企業が人手不足に陥る――という暗い未来を少しでも変えるため、パソナが先陣を切って始めたエルダーシャイン制度。その仕組みは今の時代の価値観に照らすと斬新な印象を受けるが、来るべき人口減に備えた施策としては理にかなっている。

 こうしたシニア活用が、新たな時代の“採用のスタンダード”になるのだろうか。シニアの働き方はこれからどう変わっていくのか。今後の展開に注目したい。

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