本コラムでは、「週100時間以上働くエリートが出世しない」と問題提起した。ただし、100時間以上働いたことと、彼らが出世できなかったことに直接の因果関係はない。根底にある因果関係は、「期日内に合格点をもらえる成果物を提出する」ことを自分を押し殺してまで目指すばかりに、最高のパフォーマンスを発揮できるような環境づくりをないがしろにしてしまうところにある。
人の幸せは、何もキャリア上の出世ばかりではないのは承知の上だ。しかし、ここまで働き方改革に関心が寄せられる今の日本でこそ、画一的・根性論的な「努力」ではなく、個々人の「成果」にフォーカスすることの是非を国民的に議論できれば良いと思う。オンとオフをトータルで愛せないまま、全身全霊で「オン」のみを頑張り続けられる人はいない。
金武偉(キム・ムイ)
個人投資家の視点で上場企業ガバナンスについて発信中。投資家。ゴールドマン・サックス証券出身。元ニューヨーク州弁護士。マンティス・アクティビスト投資1号(株)代表。ミッション・キャピタル代表。
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