朝ラッシュ時に「できれば座って通勤したいなあ」という人は多い。その要望に京王は応えた。もちろん、ピーク時はダイヤ設定が困難であるものの、近いところを走る小田急や、中央線の通勤向け特急への対抗意識を隠していない。
私鉄各社は、沿線ごとに住民獲得の競争をしている。それでなくても、沿線住民の囲い込みを図るために、日々サービスを向上させている。近年ではその競争にJR東日本も加わるようになっている。沿線に住んでもらおうと鉄道会社は努力しており、その証拠が、各社のサービス向上となって現れている。
スーパーや百貨店といった商業施設など、鉄道以外のビジネスで沿線の暮らしやすさを高めていった鉄道会社は、今度は本業でも高い存在価値を示すようになり、それらの動きが住民の鉄道会社への愛着へとつながっていく。鉄道事業と非鉄道事業が相互に連携し、鉄道ビジネスは地域住民に親しまれるようになる。その流れの中に、サービス向上である着席列車の増加が位置付けられている。
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