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» 2019年03月29日 07時44分 公開

「座りたい」:首都圏の鉄道で続々登場する着席サービス、背景にあるのは? (3/4)

[小林拓矢,ITmedia]

増える着席列車、各社が力を入れる

 私鉄各社では座席指定の着席列車に力を入れている。東武東上線の「TJライナー」の成功を機に、西武「S-TRAIN」「拝島ライナー」、京王「京王ライナー」と続いていく。これらの列車は東急「Q SEAT」とは異なり、全車指定の列車である。

西武鉄道が主体となって運行している「S-TRAIN」(出典:西武鉄道)

 その一方で、JRの特急も通勤客を相手にし始めた。高崎線方面の「スワローあかぎ」、常磐線の「ひたち」「ときわ」ではチケットレスサービスでの乗車も可能で、多くの利用者が定期券と併用している。

 そしてこの春のダイヤ改正で、中央線特急では「あずさ」「かいじ」に加え、「はちおうじ」「おうめ」が加わった。それぞれ八王子行き、青梅行きと近距離特急である。「中央ライナー」「青梅ライナー」といったこれまでの座席指定の通勤ライナーを特急に格上げし、一部ではサービス悪化と厳しい評価を受けているものの、新車E353系を投入し、単なる特急の間合い運用(本来の目的である運用の合間を利用し、副業的な運用を行うこと)ではない、といった意気込みを感じさせる。

 私鉄特急の通勤利用も盛んだ。小田急電鉄では東京メトロから直通するロマンスカー「メトロホームウェイ」を運行し、多くの人が利用している。そのほかにも新宿からの「ホームウェイ」を多数運行、ネット予約システムと合わせて高い利便性を確保している。

 東武鉄道では浅草から各方面に特急を運行。春日部などの近距離の停車駅を増やすだけではなく、東武アーバンパークライン(東武野田線)に乗り入れる特急なども設定し、帰宅客向けの運行に力を入れるようになっている。

 西武鉄道では新型特急001系「Laview」をこの春から運行開始。秩父エリアの観光だけではなく、通勤客の利用も期待できる。だが、なかなか朝の時間帯の座席指定列車の運行は難しい。都心発の列車は可能でも、都心着となるとダイヤ上設定は困難だ。

 小田急の「モーニングウェイ」など、朝時間帯の意欲的な取り組みは行われている。そのラインアップに京王電鉄「京王ライナー」が加わった。

 平日には京王八王子発2本、橋本発2本と、ピーク時には困難でありながらも混雑の激しい京王電鉄でも着席サービスを行うことになった(土休日は京王八王子発1本、橋本発1本)。

京王ライナーは18年2月、運行を開始(出典:京王電鉄)

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